CONVERSION

梅雨入りした。
偏頭痛持ちの身としては1年で最も鬱屈とする月。
毎年の事ではあるけれど、ただただ苛々と苦しみで終えるのは厭なので、詞なりフレーズなり、はたまた音楽に限らず何かしらのアイデアに変換したい。
ちなみに「嫌」じゃなくて「厭」としたのは、こっちの方がいやぁ〜な感じが伝わりそうだからだ。

梅雨が始まったとほぼ同時に、沖縄は梅雨明けしたとニュースでみた。
実は自分には琉球の血が混じっている。
本当かどうかは分からないが、何代か前は首里城に住んでいたとか。でも沖縄の親戚に見せてもらった十何代前の祖先まで書かれた家系図の先の方は皇族っぽい名前だったので、まんざら嘘ではなさそうだった。

沖縄の地に足を踏み入れたのは、8年前のちょうど今ぐらいの梅雨があけた時期で、気温はかなり高かったけれど、 カラッとした暑さで気持ちが良かった。
それに食べ物がすごく美味い。
あれからいくつか沖縄料理屋に行ったけど、いまだにしまらっきょうの天ぷらとは会えていない。

あと居酒屋で飲んでいたら、普通に客同士が三線抱えてセッション始めたり、夜の商店街をてくてく歩いていたら、簡素なステージがあちこちにあって、肥え気味のおばちゃんがジャニス・ジョップリンみたいにシャウトしていたのには度肝抜かれた。

独特の空気と時間とエメラルドグリーンの海。
ずっと、また行きたいと思いつつ、日々に忙殺されて、8年もの歳月が流れてしまった。
その間に首里城も燃えてしまったし、家系図を見せてくれた親戚も亡くなってしまった。

多分いま行っても、あの時見た光景は少なからず変わってしまっていると思う。自分自身あの時と比べると結構変わった。
だからこそ、記録に残しておく大事さを歳を重ねるごとに感じるようになってきた。

もしかすると、梅雨に対する感覚もこれから変わるかもしれないし、当然だが2020年の厭ァ〜な梅雨は今しか存在しない。

後年、振り返った時にどう感じるかは分からんが、
少なくともいま何かを残さなければ、後の自分が何かを感じることさえ出来ないので、とりあえず厭々言って感情を完結させてしまうのではなく、日々、試行錯誤アウトプットに努めたい。
少なくとも今はそう思っている。

https://youtu.be/lo4KMGiy–Y